© 2000-2014 Kodansha Ltd.,Publishers
エンタメ
2012年06月15日00:00

動画コメントつき●【連載】うしろシティ交換小説 ――15時間目『ビビビ』/16時間目『女の人と恥ずかしい姿』


 


ushiro_title_chocopie

前回まではこちら

15h_title




kaneko_15h_6226「ふうーいい湯だったお前らもシャワー浴びたらどうだなんだ練習していたのかアンプまでつなぎやがって苦情が来たらどうするんだうわああ。」
殴り林ではない可能性もあった男がシャワーを浴びて出てきたらなんのことはない、殴り林だった。そしてなぜか一息でしゃべったかと思うとびしょぬれの身体でアンプにつまずき、感電し、1メートルぐらい跳ねて、倒れた。
大変だ、本番は明日だというのに。

「先生! 大丈夫ですか!?
殴り林はぷるぷるしている。
亀文字! ホテルの人呼んできて!」
「うん! キャタピラモード!」
亀文字が通常より少し遅いっぽいキャタピラモードで部屋を出て行き、あたふたしていると、開けっ放しのドアから女の人がのぞきこんできた。
「ちょっと、うるさいんだけど。なんの騒ぎ?」
「ごめんなさい、先生が感電しちゃって。でも応急処置とかわかんなくて。」
それを聞いた女の人は
殴り林の様子を見に行き、これなら大丈夫よ、と言った。
「それよりきみ、あたし見てもあんまり驚かないのね。もしかして、あんまりテレビとか見ない?」
「どういうことですか?」
「うーん、まあいいや。」
女の人はなかなか帰ろうとしなかった。
手持ち無沙汰だったから、新幹線で
殴り林が読んでいた週刊誌を手にとった。表紙には、人気スーパーアイドル謎の失踪、と大きく書かれていた。
「どこから来たの?」
顔を上げたらびっくりするぐらい近くに女の人の顔があった。
「あ、ハムの宮です。」
「あ、知ってる。雪すごいところでしょ?」
亀文字まだかな、と思った。よく考えたら今部屋にふたりっきりだ。殴り林は気絶してるし、尻川はこれだけの騒ぎの中でも眠りつづけていた。
「東京観光はした?」
本当は一休みしたらみんなで出かける予定だったんですけど、と答えると、女の人に手を引っ張られた。案内してあげるよ、と言われたら、もう逆らえなかった。

雷門やできたてのスカイツリー、東京タワー、新宿角座、新宿Fu-……色んなところに連れて行ってもらった。
もうすぐ夜の7時だけど、まだまだ街には人がいっぱいいる。
「東京ってすごいところですね。」
「そうかなあ。」
疲れた、と女の人が言って、新宿角座の1階の喫茶店に入った。
「でもそうなんだろうね。久しぶりにこうやってゆっくり見てみたら、そうだよねえ。」
お店にいた人たちが、ぼくらを見て驚いた顔をしていた。
なんだろう、と思っていたら、突然ものすごい量の、シャッターの音がした。
「見つかっちゃった。」
なんだろうなんだろう。

  


16h_title



asuwa_16h_6178女の人がぼくの手を取って勢いよく店を出た。
タクシーに飛び乗り、事情を聞く間もなく運転手さんに道順を指示している。ぼくはなにか大変な事に巻き込まれたような気がしてすごくどきどきした。
大きな公園を過ぎたあたりでタクシーは停まり、女の人とぼくはすぐに近くの喫茶店に入った。
そこは渋谷のシアターDという小さな劇場のあるビルの1階にある喫茶店で、お洒落な人たちがお洒落なハンバーガーを食べている。
「実はわたし、テレビに出る仕事をしてるの。でももう疲れちゃって。どこか遠くへ行くことにしたの。最後に東京の街を見れて良かった。」
ぼくはなにか良い事を言わなければ行けない気がして言葉を探したが、お腹が鳴ったのでやめた。
女の人が吹き出すように笑ってお店のメニューをぼくに渡した時、突然ものすごい量のシャッターの音がした。
「見つかっちゃった。」

再び女の人が僕の手を取って勢い良く店を出た。
そして再びタクシーに乗り、再び喫茶店に入った。
そこは渋谷の∞ホールという劇場の近くの喫茶店で、お洒落な人達がお洒落な飲み物を飲んでいる。
「ショーの合間に演奏するの? それすごいね。でも明日はもう日本にいないかな……。」
それは残念だな、と思っていたら、突然ものすごい量のシャッターの音がした。
「見つかっちゃった。」

再び女の人が僕の手を取って勢いよく店を出た。
再びタクシーに乗り、運転手さんにぼくらの泊まっているホテルの名前を言った。
喫茶店に行かないなら、もう女の人と手は繋がないだろうな、と思うとちょっと寂しかった。

部屋に戻ると殴り林はベッドで寝ていて、尻川は相変わらずベッドと壁の隙間で、なんか寝言を言っていた。
亀文字は部屋の隅にあるコンセントを背中で隠すようにしている。
液晶部分に赤い文字で“チャージ中”と表示してあり、申し訳なさそうにうつむいて僕と女の人をチラチラ見ていた。
よく分からないけど
亀文字にとって、すごく恥ずかしいことのようだ。

ぼくは女の人と普通に戻った亀文字とで殴り林の看病をしながら、今日の観光の話をした。
殴り林は体調が悪そうだったけど、寝ながらぼくの話を聞いていて、亀文字はすごく羨ましそうにモーターをブインブインいわせている。
殴り林の寝ているベッドを囲んで、新宿角座のすごさを語って、そして女の人の話をしようかぼくが迷っている時だった。

尻川の容態が急変した。

<続く>

  

 


  

column



うしろシティ第2回単独ライブ「走ってるのかと思った」大盛況の初日が終了


うしろシティ第2回単独ライブ「走ってるのかと思った」、初日が無事に終了しました。

3日間4公演と、第1回よりも倍の公演数となった今回の単独ライブ。
オール新ネタ、うしろシティの真骨頂であるコントをがっちり見せる90分です。

明日16土まで続くので、これから見る方の妨げにならないように
公演の模様は追ってアップしますが、まずは写真を少しだけ!

08-2_9238

08-3_9662



お2人に初日を終えての感想や、これから見られる方へ向けて見どころなどを伺ってきました。
今回は動画でお届けします!

 

  

残す公演は15()19:00~と16()15:00~、19:00~の3回。
全公演当日券が発売され、なかでも追加公演である16()15:00~回は
比較的多めに当日券が出されるそう。

初日を見終えた方の評判も上々のこの公演、
迷われている方、時間ができた方はぜひ当日券で会場へ! 


【日時】2012614日(木)、15日(金)、16日(土) 開場18:30/開演19:00
    ※追加公演616日(土) 開場14:30/開演15:00

【会場】松竹芸能 新宿角座  JRほか新宿駅B9出口より徒歩1

【料金】前売¥1,800/当日¥2,000
   
【問合せ】松竹芸能 新宿角座(03-3226-8081

  

【ツイッター】当連載用公式アカウントを設けました→@web1_ushirocity
ご意見など、ぜひお寄せいただけるとうれしいです(ご本人たちもチェックします)。


●うしろシティ
左から金子学、阿諏訪泰義。それぞれ別のコンビで活動していた2人が、2009年にコンビ結成。芸人たちの間でも注目株として名前が上がる若手コント師。松竹芸能の劇場「新宿角座」を拠点に活動している。初DVD
『街のコント屋さん』が好評発売中。
・金子 公式ブログ→
http://ameblo.jp/ushirocity-kaneko/
・阿諏訪 Twitterhttp://twitter.com/ushirocityaswa




web1week
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社講談社は一切の責任を負いません。本機能を通じて行われたコメント内容などは弊社では保持しておりませんので予めご了承下さい。